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『コスパ病』『脱コスパ病』(番外編)
2023-12-08
 小島尚貴さんの『コスパ病』『脱コスパ病』をご紹介します。「コスパ(コストパフォーマンス、費用対効果)」、「タイパ(タイムパフォーマンス、時間的効率)←令和4年流行語大賞」、「パーパス経営(「社会に対してどのような存在意義を出して、どの「ように貢献するのか」を掲げて経営すること)←これらの本では言及されていません」がもてはやされる中、経済安全保障、真の持続可能性、地に足の着いた本物の社会貢献とは何かを問う本です。
 
 「コスパ病」では、いぐさ・畳の生産地である熊本県八代市の例をあげています。日本人主導で安価な畳風の畳表を中国で生産すること、それを日本の消費者が喜々として購入することが問題で、日本人対日本人の「日日経済内戦」が起きていることがよくわかりました。伝統産業を廃業に追い込み、廃業した会社の織機を海外に持ち込む始末だけでなく、日本人の自殺者まで出し、地域を衰退させている現実を、我がことと考えなければなりません。これを「自損型輸入」と表現されています。当法人は、「地産地消を目指す」ことを創業時から続けています。当施設の広報誌、『フレンドだより』で行事食をご紹介する記事には毎回、「老人保健施設フレンドでは『地産地消』に取り組み、できる限り国産の食材を使用しています」と記しています。給食の委託費もかなり上がった上、食品の高騰もあり、よそで製造されたものを温めるだけの形にすれば安くなると提案を受けます。しかし、それでは地元の業者さんや生産者との取引に繋がりません。また、国内で生産できる体制も必要です。なぜならば、輸入しようと思っても、大量に発注する国に日本は買い負けする危機にあるからです。また、他の要因で輸入が止まったらどうなるのでしょう。本にも書いてあるとおり、政治家が…などつい人のせいにしたくなりますが、自らも犯人だと反省しました。消費者一人ひとりが意識して地元のもの、国産品を、どこに税金が落ちるかを考えながら購入していきたいものです。食べないで生きていくことはできません。乳卵類(対2020年10月、2023年同月比、19.2ポイント増)、生鮮野菜(同、28.6ポイント増)とあまりの高騰ぶりにたじろぎますが、規格外の地元の農家の方が出品されているものや「愛媛産には愛がある」と表示されている商品を優先的に買っていきたいです。たまに自家製の減農薬のお米や無農薬の野菜や果物をいただくことがあります。これぞ愛媛の愛ある産物で、貴重品です。

 愛媛県には今治タオルの成功例があり、外国産でタオル製造業が淘汰されそうになったところを、地元の業者が連携し、質を担保する共通の表示をアピールし、今治は盛り返しました。共同体を守るという強い意思を持ち、共存共栄を図りたいです。当法人の加戸病院のある内子町の内子座も、かつては取り壊して駐車場にしたらどうかという案まででたそうです。今では内子座は地域の看板です。伝統や文化を守ったのは地域の人々の意識のお蔭にほかなりません。

 『脱コスパ病』で気になったのが、日本語学校です。日本に興味を持って来日した外国人が日本嫌いになったら元も子もありません。せっかく先人の正義感と努力で日本のイメージを上げてもらったのに、私たちの時代で貶めたくありません。近くにそのような学校がないので実態を把握できませんが、気を付けていきたいです。

 費用や時間の効率を考えることは重要ですが、それが長い目で見て本当によいかどうか、カタカナ言葉に踊らされ、よいことをしている気分になっていないかを考えていこうと思います。(し)

特定医療法人 弘友会
老人保健施設フレンド
〒795-0064
愛媛県大洲市東大洲39

TEL.0893-23-5100

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